GIMPで高品質なノイズ除去が出来るというプラグイン「GREYCstoration」を試してみたので紹介します。GIMPには標準でノイズ除去のフィルターが入っていますが、こちらの方が高品質でした。
まずは結果を比較。
上がノイズ除去フィルターを適用前、下が適用後の画像です。上の画像では細かいノイズが出ていて、特に影になっている暗い部分では目立ちますね。この写真はiPhone3GSで撮影しています。スマートフォンの内臓カメラなんかでは、こんな感じのノイズが良く出てしまいます。そこでプラグインを使うとノイズが綺麗に消えました。フリーのプラグインなのにかなりの精度です。
プラグインのダウンロード
まずは、プラグインをダウンロードしましょう。URLは以下になります。ダウンロードリンクはページの一番下です。
GREYCstoration v2.9
プラグインの導入方法については、以下の記事で紹介しているので参考にしてみて下さい。ちなみにこのプラグインの対応バージョンはGIMP2.2～2.6となっていますが、2.8ポータブル版でも問題なく使えました。
GIMPにプラグインをインストールする方法
プラグインの使い方
プラグインを追加したらGIMPを起動しましょう（起動していた場合は再起動）。そしてノイズのある画像を開き、メニューから「フィルタ→強調」を開きます。すると一番下に「GREYCstoration」が追加されているのでクリック。
すると、下の画像のようなダイアログが出てきます。ここで詳細を設定して「OK」をクリックすればノイズが除去されます。英語なのもあり分かりづらいかもしれませんが、プレビューで効果の掛かり方が確認できるので、見ながら調整しましょう。よく分からなくても大体の画像はデフォルトのまま変更しなくても綺麗になると思います。
設定のコツ
各数値を上げるとノイズ除去効果は強くなりますが、元の画像が崩れてしまいます。そこで今回のサンプルでは、「Strength」と「Contour preservation」の数値を低めにして、元の画像が崩れないようにしています。ただそれだけだとノイズがあまり消えないので「Number of iterations」（効果を繰り返しかける回数）を3回に増やしています。丁寧に少しずつ繰り返しノイズを消していくようなイメージです。
この設定はあくまで僕が試してみて良さそうだなと思った設定です。「数値を変えたらもっときれいになった！」とか「他の画像だと上手くいかない」ということもあると思うので、適用する画像や好みに合わせて最適な設定を探してみてくださいね。
このプラグインの使いどころ
個人的に良さそうと思った使いどころは、写真の色補正の前です。きれいに見せるために全体的に明るくしてコントラストも少し強くするという補正をすることがよくあるのですが、その場合にノイズの掛かった写真だとノイズまでコントラストが上がって強調されて目立ってしまいます。そこでこのプラグインが役立ちます。次の画像は上が最初の画像をそのまま補正したもの、下がノイズを消してから補正したものです。さらに違いがハッキリ出たと思います。
今回は「GREYCstoration」の紹介でした。色々なプラグインが公開されているのもGIMPのいいところです。他にも便利なプラグインを探してみましょう。これはスゴイ！というようなプラグインがあったらTwitterなどで教えてくれると嬉しいです。
また、今回のプラグインをとりあえず試してみたいけどノイズのかかった画像がないという方は、この記事の画像をダウンロードして使ってもOKですよ。
追記：2012.08.30
この記事で紹介したGREYCstoration現在開発が終了していて、「G'MIC」というプラグインに移行して統合されているとの情報を頂きました。「G'MIC」はGREYCstorationのノイズをキレイにする機能の他に、画像を変形させたり色合いを変えたり出来るたくさんの機能がまとめて収録されたプラグインです。もっと色々な機能が欲しいという方は是非試してみてください。ダウンロードサイトは以下になります。情報提供ありがとうございました！
G'MIC - GREYC's Magic Image Converter
